現在完了形が苦手な人の特効薬



英語を始めとして、現在完了を苦手と感じている人は多いのではないでしょうか。

日本語にはない概念なので、うまく訳せなかったり、うまく飲み込めないのはある意味当然と言えるのかもしれません。

実際に僕も、以前は過去形と現在完了形の使い分けは曖昧で、とりあえず文法書の解説を丸呑みして、「経験だから現在完了」「完了した直後だから現在完了」などと型にはまった使い方をしていました。

本日は現在完了に苦しみ悶える入門・初級学習者に向けた和訳のちょっとしたコツのお話です。


現在完了とは

過去の動作や状態が現在に繋がっている意味合いを出す文法構文です。

●文法項目として現在完了形が存在する言語
英語
スペイン語

●文法項目としては存在するが現在完了としての意味合いは薄い言語
ドイツ語

●文法項目として存在しないが現在完了とほぼ似たような意味合いの構文を持つ言語
フランス語
イタリア語
等など


僕が把握しているだけでも、西洋言語には現在完了形があるか、もしくはそのニュアンスが出せる構文を持つ傾向にあるようです。

過去の出来事が現在と繋がっているのか?

それとも現在と切り離されているのか?

あちらの人々にとってそれは、明確にする必要のある大事なポイントだったのですね。


現在完了和訳のコツ

過去と現在の連続性は、日本語ではあまり重視していない概念です。

なのでその意味を解釈したり、和訳する際にはコツが必要です。

そのコツとは、

「~して現在に至る」「~になって現在に至る」

のように「現在に至る」と添えてあげることです。

文法書や教材では、「経験」「継続」「完了」「結果」などと用法が解説されていますが、飲み込み難さを感じたらまずは「現在に至る!」という訳を当てはめてみるとよいでしょう。

私は西海岸に2回行って現在に至る(経験)

私は2年前に英語を始めて現在に至る(継続)

私はすでに宿題を終えて現在に至る(完了)

経験であれば「回数」、継続であれば「期間」、完了・結果であれば「いつ」など、手がかりがあります。

まずは「現在に至る」という訳を当てはめ、その後でそれぞれの手がかりから経験・継続・完了・結果など適切に訳すとよいでしょう。


過去完了にも対応可能

今回紹介したコツは、過去完了形にも応用できます。

過去完了形の場合は、

「~して当時に至った」「~になって当時に至った」

と訳してあげればokです。

現在完了形では現在が起点となりますが、過去完了形では過去のとある時点が起点となります。

「留学を決意した時、外国語を始めて3年が経っていた」

上記例文で考えると、「留学を決意した時」が起点となります。

「留学を決意した時」を起点にして過去完了形を和訳すると、

「外国語を始めて3年が経過して、当時に至った」

となります。

もっと丁寧に和訳をすると、

「外国語を始めて3年が経ち、留学を決意した当時に至った」

となりますね。



未来完了にも対応

こうなってくると、未来完了も余裕です。

「~してその時に至るだろう」「~になってその時に至るだろう」

と訳してあげればOKです。

未来完了は、未来のとある時点が起点となります。

「来年の8月には、外国語をマスターしているだろう」

この例文の起点は、「来年の8月」ですね。

なので「外国語をマスターした状態になって、来年の8月に至っているだろう」となります。


時には少しぎこちない日本語になってしまう場合もあるかもしれません。

しかしながら、「ピッタリ嵌まる日本語が浮かばない…」なーんていちいち悩んでしまうより、今日紹介したコツを当てはめてバンバン和訳していくほうが30倍効率的です。

数をこなしていけば、日本語を介さなくても外国語がスッと入ってくるようになるからです。

今日紹介したコツでたくさんの和訳を積み上げていってくださいね!

そんなわけで以上、現在完了は「現在に至る」で簡単攻略!でした。