インドネシア語はじめの一歩 ニューエクスプレス+インドネシア語 | 外国語の筋肉的レビュー


ニューエクスプレスプラス インドネシア語

 

 

 


インドネシアは人口が2億7千万人を超え、東南アジアで最も有望視されている国のひとつです。

そのインドネシア公用語となっているのがインドネシア語です。

使用される文字は英語のABCとほぼ同じなので、アルファベットで悩むことはないでしょう。

また、インドネシア語はマレー語を基に作られているため、マレー語話者と意思疎通も可能です。

つまり、シンガポールやマレーシアの人々ともコミュニケーションが可能なちょっとお得な言語と言えるでしょう。


ニューエクスプレスシリーズの+(プラス)がない無印との違いは以下のとおりです。

・10課ごとに10問の理解度確認テストが追加
・簡単なスピーチ・メッセージの表現を追加
・長文読解用の文章を追加
・音声アプリ対応

B5サイズで厚さも1cm以下

個人的な好みですが、物理的なこのサイズ感もポイントです。


取り扱い科目
 

・文字と発音
・人称代名詞
・修飾語
・名詞文
・非名詞文
・疑問文
・前置詞
・指示代名詞
・否定文
・呼びかけの表現
・存在表現
・助動詞
・時の表現
・関係代名詞
・比較級・最上級
・接頭辞
・接尾辞
・数詞
・経験の表現
・二重主語文
・他動詞
・丁寧表現
・命令文
・勧誘の表現
・禁止の表現
・依頼の表現
・理由の表現
・感情の表現
・接続詞
・副詞表現
不定の表現



筋肉レーティング

☆筋肉レーティングは拙著「外国語の筋肉」の基本筋肉に沿って評価しています。

 

 

 


単語筋★★★★☆

日常会話形式の例文が豊富で、登場する単語数も多いです。

それに加え「単語力アップ」という特集ページでは例文に使用される単語以外も多く掲載されています。

そのため高い語彙力アップも期待できるでしょう。



文法筋★★★☆☆

全20課という構成で、基本的な文法項目は押さえてあります。

そのため入門・初級の文法書としては十分有効なトレーニングが可能です。

見開き2ページで、左ページがインドネシア語、右ページが日本語とコンパクトにまとまったレイアウトで使い勝手がよいです。

ただやはりスペースの都合上、割愛されてる項目も多くあります。

例えばインドネシア語の動詞は基となる単語に接頭辞や接尾辞を付けて微妙なニュアンスを表現することができます。

それ自体は表現を豊かにする優れた仕組みなのですが、学習者にとっては厄介な存在です。

入門・初級の学習者であればなおさらです。

実際に僕も「TerとかBerとかKanとかiとかそんな色々出されても使い分けできねーよw」と苦しみ悶ていたものです。

でも実はこれ、日本語にも同じような仕組みがあるんですよね。

例えば「書く」という動詞でも「書き留める」「書き下ろす」「書き上げる」などのように機微やニュアンスを付与できるやつです。

私達がそのニュアンスや使い分けを無意識のうちに身に着けてきたように、インドネシア語の機微やニュアンスも理屈で理解しようとしても限界があるかもしれません。

ニューエクスプレスにも接頭辞や接尾辞の解説は一応ありますが、あくまで基本的な用法の解説なので、学習を続ける中で「これ当てはまってなくね?」みたいにモヤモヤしてしまう場面はどうしても残ってしまいます。

ニューエクスプレスで学べるのはあくまで基本。

入門・初級の文法教材と割り切って使うのがよいでしょう。



聞耳筋★★★☆☆

CDのインドネシア語音声はゆっくり&はっきりで聞き取りやすいです。

ただそれは裏を返せば本格的な音声教材として不足する部分もあるということです。

ネイティブの話すインドネシア語音声とは別物と考え、アルファベットの音の確認用など、初級教材と割り切って使用するのがよいでしょう。


発音筋★★★☆☆

CDのインドネシア語音声はナチュラルスピードよりもゆっくりめなため、口慣らしに適しています。

ただし、本格的な発音練習には別途中級以上の音声教材を用意しましょう。


反射筋★★★☆☆

CDの音声がナチュラルスピードと較べてかなり聞き取りやすいので、反応スピードの到達可能レベルも初級止まりです。

日本語訳の音声はないので、日本語からアラビア語を組み立てる反射発筋のトレーニングは期待できません。


山羊山はこう使う

アルファベットは英語で慣れ親しんだabcで、読み方もほぼルール通りなので例えば英語のように「何でこの綴りでそんな読み方すんの?」といったモヤモヤやストレスはないでしょう。

多くの人が見開き左ページのインドネシア語を読み、それを日本語に訳して理解する学習方式をとると思います。

それは外国語の筋肉的に言うと「受」のトレーニングになります。

しかしながら、「受」より「発」を重視するのが山羊山流。

なので、右ページの日本語を見てインドネシア語の組み立てを行うという学習法をオススメします。

詳しくは拙著「外国語の筋肉」に譲りますが、「発」方式でトレーニングした方がよりしっかりとした単語筋・文法筋が身につくからです。

文法筋レーティングでも触れましたが、しっかり文法を理解しようと思ったら本教材では解説が省略されている部分もあります。

この教材をメインに2~3周繰り返して学習を行い、インドネシア語の組み立てがスムーズになってきたら中級者向け教材に取り組んでいくのがよいでしょう。

山羊山イチオシ入門・初級向け教材 ニューエクスプレスプラス インドネシア語